医薬品と医療機器の違いについて
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医療機器と医薬品のリスクマネジメントには、6つの相違がある。 • ①リスクマネジメントの種類 • ②品質保証(リスク管理)の範囲 • ③品質不良の主な発生箇所 • ④検査方法 • ⑤バリデーションの範囲 • ⑥遵守すべきガイドライン • ①リスクマネジメントの種類の違い • 医療機器の場合は、故障や誤使用が患者ユーザーへの健康被害にダイレクトつながるため「リスクマネジメント」と呼ばれる。 • 一方、医薬品の場合は、製造工程のミスや構造設備、製剤設備、故障やデータ入力ミス、分析の失敗などにより、医薬品の品質に欠陥が生じることがある。品質に欠陥を持った医薬品を患者が服薬したときにどのような健康被害が起こるかを推論してそのリスクをマネジメントするのが「品質リスクマネジメント」(QRM:Quality Risk Management)と呼ばれる。つまり、医療機器とはことなり、インダイレクトなリスクマネジメントである。 • ②品質保証(リスク管理)の範囲の違い • 医療機器は、患者やユーザーが繰り返し利用するため、設計製造から据付設置以降も患者・ユーザーの使用中の故障や誤使用等までが品質保証の対象になる。 • 一方、医薬品では、患者に投薬されるまでを対象範囲としている。 • ③品質不良の主な発生箇所の違い • FDAによれば、年間に約9,000件の回収事案が発生しており、高止まりが続いている。内訳を見ると、医療機器はCDRH、医薬品はCDERが担当しており、2017年の回収数は医療機器が年間で1,068ケース/3,226品目、医薬品が348ケース/1,176品目となっている。 • クラスI回収(死亡や重篤のおそれがある最も重い回収)を見ると、医療機器が年間で42ケース/64品目、医薬品が46ケース/75品目となっている。これは3日に1製品づつ市場から撤収されていることであり、国民を危険にさらしている状態が続いているということである。如何に回収を減らせるかがFDAの喫緊の課題なのである。 • FDAの分析で医療機器は、回収の約50%以上が設計に起因することが明らかになっており、中でもソフトウェアのバグが設計起因の回収の80%~90%を占める。 • 一方、医薬品ではその品質不良のほとんどの場合が製造所の問題(例:異物混入、破瓶、白濁等)である。 • ④検査方法の違い • 医療機器は、多くの場合、X線投影や測定機器で測定することにより、非破壊検査(全品検査)が可能である。不適合品が出た場合、不適合品管理を行い、場合によってはリワーク(再製造)し合格品だけを出荷することができる。 • 医薬品は、そのほとんどが破壊検査になる。製品を破壊して検査するため、検査後に製品に戻すことはできない。そのため全品検査が出来ないのでサンプリング検査が基本となる。 • OOS(Out-of-Specification:規格外製品)の場合、バッチごとまたはロットごと廃棄しなければならなくなる。。 • ⑤バリデーションの範囲の違い • 医療機器は、特殊工程(例:はんだ付け、滅菌、カシメ、接着、溶接、圧着等)のみに対してプロセスバリデーションが必要である。 • 一方において医薬品は、ほとんどの工程においてプロセスバリデーションが必要である。④で述べた通り、医薬品は破壊検査による全品検査ができないため、サンプリング検査が必須となる。サンプリング検査には限界があるため、あらかじめ100%欠陥が生じないようにプロセスをバリデーションする必要がある。 • ⑥遵守すべきガイドラインの違い • 医療機器は、ISO-14971「医療機器ーリスクマネジメントの医療機器への適用」に準拠しなければならない。最新は2019年12月版で3年間の移行期間中(2022年12月まで)に移行を完了する必要がある。 • 医療機器の場合は、欠陥が患者やユーザーに及ぼす健康被害を管理する直接的なリスクマネジメントである。 • ③で述べた通り、たとえ製造が適切であっても設計に問題があれば安全な医療機器にはなり得ない。 • そのため、設計管理においてリスクマネジメントを実施することを要求している。また、患者、ユーザーに対する健康被害だけではなく、財産もしくは環境が受ける危害も対象となる特徴を持っている。 • 医薬品は、平成18年9月1日付で、ICH-Q9「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」が厚生労働省医薬食品局審査管理課長、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長の連名通知で発出されている。 • 医薬品の品質における欠陥が患者に及ぼす健康被害を管理する、間接的なリスクマネジメントになっている。 • 医薬品の製造所におけるリスクは、FMEAを使って構造設備等の欠陥(故障、操作ミス等)が医薬品に及ぼす影響を抽出することが要求されている。 • ICH-Q9は、医薬品のライフサイクル全般(開発、製造、配送、査察及び承認申請/審査)をカバーしているという特徴を持っている。つまり製造のみではなく、製剤開発を含んでいる。また製薬企業側のみではなく、規制当局側(査察、審査)も遵守義務がある。 • お役立ち情報 • https://eCompliance.co.jp/oyakudachi/... • 【イーコンプライアンスのVOD配信】 • https://eCompliance.co.jp/oyakudachi/... • 【イーコンプライアンスホームページ】 • https://eCompliance.co.jp/ • 【関連商品】 • ■【VOD】リスクマネジメントセミナー • https://eCompliance.co.jp/SHOP/L_RSKM... • ■【セミナービデオ】リスクマネジメントセミナー(テロップ入り) • https://eCompliance.co.jp/SHOP/EL-049... • ■【VOD】製薬企業における品質リスクマネジメントセミナー • https://eCompliance.co.jp/SHOP/191120... • ■【セミナービデオ】製薬企業における品質リスクマネジメントセミナー • https://eCompliance.co.jp/SHOP/EL-007... • ■【VOD】医療機器企業におけるリスクマネジメントセミナー • https://eCompliance.co.jp/SHOP/191121... • ■【セミナービデオ】医療機器企業におけるリスクマネジメントセミナー • https://eCompliance.co.jp/SHOP/EL-008... • ■【ISO 14971:2019対応】リスクマネジメント規程・手順書・様式 • https://eCompliance.co.jp/SHOP/MD-QMS...
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